代表理事

挨拶

代表理事 山下 純一

buildingSMART Japan(以下bSJと略す)は1996年に任意団体のIAI(International Alliance for Interoperability)日本として発足しました。日本でBIMが知られてきたのは2008年頃のことで、当時はBIMという言葉もほとんど知られておりませんでした。任意団体のままでは法律上の権利・義務の当事者になれないため2004年に有限責任中間法人となり、中間法人法の廃止に伴って2009年に一般社団法人となりました。
bSJはbuildingSMART International(以下bSIと略す)の日本支部として1900年台にはST-2と呼ばれる鉄筋コンクリートのモデルを提案したり、bSIの活動の中でも高度な技術を要するためプロフェッショナルが有償で行っている仕事を日本のメンバーがボランタリーで行ったりしてIFCの開発とIFCのISO化に貢献してきました。
最近では日本の会員がbSIの戦略諮問評議会のメンバーになるなど日本の存在感が強まっています。また、2012年から始まった国土交通省のCIM制度検討会、CIM技術検討会は2018年にBIM/CIM推進委員会へと進化し、BIM/CIMの成果物の納品にはIFCが採用されることになりました。bSIでも道路や橋梁などのインフラストラクチャに関する標準開発が盛んに行われていますが、日本も官民が協力して参画できる体制が整いつつあります。
2013年には、IFCがISOのISO16739:2013となり、今まではbSIのみで行なっていたソフトウェアのIFC検定も現在ではbSJでも行っています。現在bSIでは、国際的に統一された基準によるBIMの教育と個人の資格認証についての議論が行われており、日本でも資格認証に必要となるスキル習得のためのテキストや制度について検討しています。
我々の日頃の活動は、会員の皆様の献身的な努力によるとともに、我々の活動を理解し支援して頂いている多くの人々や組織に支えられており、改めて皆様に御礼申し上げます。
現在では、米国の連邦調達局、陸軍工兵隊や英国、ノルウェー、フィンランド、シンガポール、韓国政府などは、発注したプロジェクトの成果物としてBIMモデルの納品を義務化しています。特に英国ではBS1192シリーズを制定し官民を挙げてBIM化を進めています。この傾向は世界の潮流になりつつあるため、今後BIM、CIMの重要性は増してゆくと思われます。
皆様におかれましては、今後ともご支援の程よろしくお願いします。